映画「愛して飲んで歌って」のあらすじ感想(ネタバレなし)

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愛して飲んで歌っての紹介:フランスの名匠アラン・レネの遺作で、イギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンの戯曲を映画化した作品。開業医のコリンが妻カトリーヌにジョルジュの余命がいくばくもない事実を明かすと、友人たちに広まる…。

愛して飲んで歌って 映画

愛して飲んで歌って あらすじ

映画「愛して飲んで歌って」のあらすじです。

イギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンの戯曲の映画化、2014年3月に他界したフランスの名匠アラン・レネの遺作となった作品。

イギリス、ヨークシャー郊外。開業医のコリンは、ジョルジュの余命がいくばくもない事実を妻カトリーヌに明かしてしまいます。コリンは気づいていませんが、カトリーヌはジョルジュの元恋人でした。

ジョルジュのニュースはおしゃべりなカトリーヌによって瞬く間に友人たちの秘密となります。

地元の素人演劇一座で4人芝居をすることになっているコリン、カトリーヌ、ジョルジュの大親友ジャックの妻タマラは、突然降板することになったもう一人の代役にジョルジュを引っ張り出すことに成功します。

ジャックはジョルジュの元妻モニカにジョルジュの元に戻って最期を看取ってほしいと懇願し続けます。最初は拒んでいたモニカでしたが、シメオンとの関係に疑問を感じていたこともあり気持ちが次第に傾いていきます。

4人芝居の舞台ではジョルジュとタマラのラブシーンが用意され、リハーサルの度にふたりの関係は親密になっていきます。

芝居は成功裏に終わりますが、ジョルジュの最期の時間を有意義なものにすべく一致団結していた三組のカップルの関係は、おかしな方向に向かっていきます…。

愛して飲んで歌って ネタバレなし作品概要

映画「愛して飲んで歌って」の概要をネタバレなしで説明します。

本作の監督は、「夜と霧」、「去年マリエンバートで」、「恋するシャンソン 」などの作品を手掛けたフランスを代表する巨匠アラン・レネです。

同時代にキャリアを開始したジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらヌーベルバーグ「右岸派」に対し、ドキュメンタリー出身のアラン・レネらは「左岸派」と呼ばれます。

アラン・レネは1922年生まれ、フランス・ヴァンヌ出身の映画監督です。12歳から8ミリカメラで短編映画を作るようになり、1943年には、多くの映画人を輩出したフランスの高等映画学院に入学しました。

1945年には兵役に就き、翌46年、パリで短編映画の製作を開始します。1948年の「ヴァン・ゴッホ」は、アカデミー短編映画賞を受賞しました。

1955年の「夜と霧」はアウシュビッツ強制収容所を扱った世界初の映画と言われ、1959年の「二十四時間の情事」では、原爆被害を受けた広島を舞台にしました。

その後も戦争と個人の精神・記憶への影響を扱った作品のほか、コメディ、ミュージカルなど様々な作品を手掛け、新たな境地を開拓し、ハリウッドの監督にも多大な影響を与え続けました。

2014年3月、91歳で亡くなり、本作が遺作となっています。

予告編動画

愛して飲んで歌って 感想

映画「愛して飲んで歌って」の感想です。

本作はアラン・レネ監督の遺作です。長年のキャリアを誇り、生涯、新しいことに挑戦しつづけた巨匠による円熟味あふれる大人のコメディといえるでしょう。

高齢ですので、監督自身も人生の引き際を考えていたはずで、体力が許さないことがあったかもしれませんが、すべてをぶつけた作品でしょう。

カトリーヌ役を演じるのは、「スモーキング/ノースモーキング 」、「巴里の恋愛協奏曲」、「風にそよぐ草」などの作品に出演した、アラン・レネ監督の妻であるサビーヌ・アゼマですので、監督との意思疎通は十二分にはかられたと思います。

アラン・レネ監督は、1969年にフロランス・マルローと結婚し、80年代後半に別れ、1998年にサビーヌ・アゼマと再婚しています。

彼女はアラン・レネ監督の作品に多く出演してきましたが、ついに最後の作品となってしまいました。彼女の演技が注目されます。

フランス映画独特のテンポや男女関係の描き方があまり得意でない人は、本作についていけないかもしれません。アラン・レネ監督やサビーヌ・アゼマのように、酸いも甘いも噛み分けてきた人生経験豊かな方は、円熟した軽やかなコメディタッチの本作を楽しめることでしょう。