突然倒れてしまった周造は、なんとか一命を取り留めたものの、「次は覚悟して下さい」と医師に言われてしまう。はなが周造の部屋に着替えを取りに行くと、枕元にははなが書いた“たんぽぽの目”が…周造の愛に涙腺崩壊です。
ネタバレ
花子とアン 64話 は、周造の気持ちに目を潤ませずにはいられません。ここからネタバレです。
吉平を見た途端倒れてしまった、周造。吉平が大急ぎで医者を呼びに行き、処置が間に合ったため周造はなんとか一命を取り留めますが、担当した医師から「次に発作が起きたときは覚悟して下さい」と言われてしまいます。それを聞いたふじは、自分のせいで父が倒れたのでは、と心を痛めます。ふじは本当に思いやりのある人ですね。そして家族を自分よりも大切にする人。今は自分も大変な状況なのに、父が倒れたことを自分のせいと思い責めてしまう、いい人すぎて自分自身を苦しめていないか心配ですね。
周造がなんとか助かったのは、吉平のおかげでもあるのですが、それでもふじは吉平を許す気がない様子で、吉平は謝るタイミングを失ってしまいます。ついに吉平は朝市の母リンに「出て行け!」と言われてしまいます。
う~ん、確かに早く理解してほしい吉平の気持ちも分かりますが、ふじは浮気におとうの病気に頭も心も限界まで来ているはず。そっとしておいた方が良さそうですね。
周造は意識さえ戻ったものの、以前のように体を動かすことが出来ず、寝込んでいました。はなが着替えを取りに行くとその枕元には、はなが作った“たんぽぽの目”が。
次の日の朝、吉平は地主のところに居ました。安東家の様子を聞き、地主は吉平に家に帰った方がいいと勧めます。
吉平が家に帰るとそこには寝床に伏せている周造の姿が。
「おらにも、字が読めたらなぁ…」と寂しそうに本を見つめつぶやく周造。そんな周造を見て、吉平は本を手に取り朗読し始めました。
この場面で切ないのは、周造が愛する孫の本を、自分の力で読めないということ。日本は今でこそ男女ともにほぼ100%の人が読み書きを出来るようになりましたが、周造が生まれ育ったであろう江戸後期~明治初期はまだまだ教育が進んでおらず、読み書きが出来る人は最大で40%ほどだったそうです。ましてや山梨の農村で育った周造ですから、勉強なんてもってのほか!農業に勤しむ少年時代だったのでしょうね。周造が悪いわけではないのに悲しそうに本を見る周造に胸が痛みます。
朗読してくれた吉平に周造は「婿どんのおかげではなはこんなに立派な本を書けるようになっただ」と感謝を述べます。「おらは多分この先長くねえ。わしが死んだあと、家族のことは頼んだぞ」今まで一つ屋根の下で暮らしてきても一度も目を合わせてくれなかった、という周造が今度はまっすぐ吉平を見つめながら伝えます。
こんな状況下で、吉平のことを信じて感謝し、家族のことを託してくれた周造に吉平の目には涙が浮かんでいました。やはり周造長年生きてきただけありますね。吉平が何もしていないことも、ふじの苦悩も、色々なものが見えているのでしょう。それにしても“たんぽぽの目”を読んでもらっている時の周造の顔が嬉しそうで、安らかで、その顔を見るだけで泣けてきてしまいます。
周造は今まで何も語ってこなかったですが、それでも胸の内では家族のことを誰よりも心配し、家族のことを誰よりも愛し、見守ってきたんだなぁ…そんなことがこの一件から分かりましたね。周造が危ない予感が拭いきれませんが、良くなることを期待します。