ジヌよさらば かむろば村への紹介:松尾スズキ監督、松田龍平主演で、いがらしみきお原作の人気コミック「かむろば村へ」を映画化。お金恐怖症の高見武晴はお金を1円も使わない暮らしを求めて東北の寒村、かむろば村に移住する…。
ジヌよさらば かむろば村へ あらすじ
映画「ジヌよさらば かむろば村へ」のあらすじです。
松尾スズキ監督、松田龍平主演で、いがらしみきお原作の人気コミック「かむろば村へ」を映画化。
高見武晴、通称タケは、銀行員にもかかわらずお金に触るだけで激しい眩暈を襲われてしまうお金恐怖症になり、銀行を辞めるハメになります。お金を触れない、使えない、欲しくないタケは、お金を1円も使わない暮らしを求めて東北の寒村、かむろば村に移住します。
お金を使わない生活を闇雲に実行しようとするタケを、異常に世話焼きな村長・与三郎、与三郎の美人妻・亜希子、高齢化率40%の村では希少だけどどこかアヤシイ女子高生・青葉、自他ともに認める村の“神様”で、写真が趣味のなかぬっさんなど、村人たちは奇妙な生き物を見るように眺めつつも、タケを助けます。
タケはどこか田舎の自給自足ライフを甘く見ているフシがあり、度々命の危険にさらされますが、村人たちの助けによって危なっかしいながらも奇蹟的に一円も使わない生活を続けます。
タケが村に慣れ始めた頃、見るからに怪しい風体の男・多治見が現れます。
多治見は与三郎に露骨な嫌がらせをしかけますが、与三郎には不穏な過去があるようです。一方、迫りくる村長選挙を巡る陰謀が発覚し、タケの生活は思わぬ方向へ向かいだします…。
ジヌよさらば かむろば村へ 作品概要
映画「ジヌよさらば かむろば村へ」の概要をネタバレなしで説明します。
本作の監督は、1962年福岡県北九州市生まれの松尾スズキです。元々は漫画家を目指していましたが、大学の漫画研究会で挫折し、演劇研究会に入ります。
大学卒業後は上京し、サラリーマンをしますが、上手くいかず、1980年代後半に劇団大人計画を旗揚げします。多くの人気俳優を輩出し、松尾本人もテレビや映画に多数出演するようになります。
映画監督デビューは、2004年、人気漫画を映画化した「恋の門」で、主演は本作と同じく、松田龍平が務めています。
2007年には、芥川賞候補となった自身の小説を映画化した「クワイエットルームにようこそ」を監督しました。
本作は長編映画監督、3作目となります。
原作者は、ビッグコミックで2007年から2008年にかけて連載された、いがらしみきお「かむろば村へ」です。
いがらしみきおは、1955年宮城県生まれの漫画家で、1979年「80,その状況」でデビューしました。同年に連載を開始した4コマギャグ漫画「ネ暗トピア」が大ブレイクし、人気漫画家となっていきます。
1986年に連載を開始した「ぼのぼの」、1995年から1999年にかけて連載された「忍ペンまん丸」はアニメ化されるなど大ヒットしました。
ギャグ漫画に限らず、多彩なジャンルを手掛けている漫画家です。
ジヌよさらば かむろば村へ ネタバレ結末ラスト
映画「ジヌよさらば かむろば村へ」の結末ラストの予想です。※ネタバレ含む
原作の最終巻では、かむろば村を合併すべく、隣の青石市の市会議員が暗躍します。彼らは村に対して、農作物を盗むなど様々な嫌がらせを仕掛けてきます。
また、その議員の運転手に収まった村長の宿敵・多治見は、村長夫人の亜希子に横恋慕し、ストーカーじみた接近を繰り返します。
そんな中、主人公・タケは村への恩返しのために、謀略で選挙に出れないヨサブロ村長の代わりに村長選挙に立候補する決意を固めます。
そんな行き当たりばったりな経緯で村長に立候補するタケをみながら、村の“神様”が亡くなります。自分が死ぬのをわかっていながら死にます。「神様は何もしない、死ぬ日が来たら死ぬ。でも人間は何かをやらざるを得ない」と言って死にます。
物語は、特に何かが解決するわけではありません。同じように世界が続くことを暗示して終わります。
予告編動画
ジヌよさらば かむろば村へ 感想
映画「ジヌよさらば かむろば村へ」の感想です。
本作は、松尾スズキのファンにとって待望の映画でしょう。久しぶりの長編映画監督作品であり、否が応でも期待が高まります。
主人公のタケのお金恐怖症がどのように表現されるか、またタケがお金を使わないでどのように生活していくかが見どころになるでしょう。
松尾監督が言うように経済的に混迷する現在にぴったりなテーマでしょう。
主演の松田龍平は、今や日本映画に欠かせない俳優になりました。1999年、大島渚監督の「御法度」でデビューし、2002年、豊田利晃監督「青い春」、2004年、松尾スズキ監督「恋の門」、2011年と2013年の「まほろ駅前」シリーズ、「探偵はBARにいる」シリーズなどに出演し、キャリアを重ねてきました。
特に気怠い空気感、世を捨てたような空気感を出させたら右に出るものはいないでしょう。独特の存在感で今後もますます活躍していってほしいものです。
松尾スズキと松田龍平が監督と俳優としてタッグを組むのは2回目ですが、二人のコンビが熟成していけばもの凄い化学反応を起こしそうで楽しみでなりません。
また脇を固めるキャストも阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行など非常に楽しみな俳優がそろっています。