マジック・イン・ムーンライトの紹介:ウディ・アレン監督、コリン・ファース、エマ・ストーン出演のロマンティック・コメディ。マジシャン・スタンリーは、ソフィー・ベイカーという霊能力者のインチキを暴いてほしいと頼まれる…。
マジック・イン・ムーンライト あらすじ
映画「マジック・イン・ムーンライト」のあらすじです。
ウディ・アレン監督、「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「アメイジング・スパイダーマン」のエマ・ストーン出演のロマンティック・コメディ。
1928年、ベルリン。イギリス人の世界的に有名なマジシャン・スタンリーは、観衆の前でマジックを披露し、楽屋に戻ると、幼馴染でマジシャンのハワードから話しかけられます。
ハワードによると、コート・ダジュールにいるキャトリッジ家がソフィー・ベイカーという霊能力者に振り回されていると言います。
キャトリッジ家の子息・ブライスがソフィーに入れあげて、プロポーズしようとしているようで、ハワードは自分が見抜けなかったソフィーの占いの真偽を、スタンリーに見抜いてほしいと依頼します。
スタンリーは、インチキ霊能力者のトリックを見破ったこともあり、ソフィーのインチキを見抜いてやろうと自信満々で、ハワードとともにコート・ダジュールのソフィーのもとに乗り込みます。
しかし、ハワードは、ソフィーの透視能力を目の当たりにしてショックを受け、容姿も性格も完璧な彼女にほれ込んでしまいます。
ある日、ハワードはソフィとともにオープンカーでドライブをしていたところ、大雨に捕まってしまい、天文台に逃げ込みます…。
マジック・イン・ムーンライト 作品概要
映画「マジック・イン・ムーンライト」の概要をネタバレなしで説明します。
本作の監督は、1935年ニューヨーク生まれ、世界中に多くのファンを持つアメリカを代表する監督であるウディ・アレンです。ユダヤ系ドイツ人の家庭に生まれました。
高校在学中、コメディ・ライターとして「ニューヨーク・デイリー・ミラー」、「ニューヨーク・ポスト」などで人気を博しました。
1953年、ニューヨーク大学教養学部に入学し、映画製作を専攻しますが、中退してしまいます。その後、ニューヨーク市立大学シティカレッジ映画科に入りますが、また中退します。
1955年、同級生の兄とマネージメント契約を行い、その推薦でコメディ・ライターと放送作家の仕事を始めます。
手掛けた番組がエミー賞にノミネートされるなど放送作家として評価を高めますが、アレンは仕事に興味を亡くし、1959年から精神科への通院を始めます。
1960年、アレンはスタンダップ・コメディアンとして活動を始めます。次第に人気を博すようになり、映画界からのオファーが舞い込みます。
1966年、「どうしたの、タイガー・リリー?」で監督デビューします。その後、年1本以上のペースで作品を製作し、脚本、監督、出演の3役を務めることも多いです。
1977年「アニー・ホール」でアカデミー監督賞、作品賞、1986年「ハンナとその姉妹」、2011年「ミッドナイト・イン・パリ」で同脚本賞を受賞しました。そのほか、同脚本賞ノミネート12回、監督賞ノミネート5回を数える世界屈指の映画作家です。
マジック・イン・ムーンライト ネタバレ結末ラスト
映画「マジック・イン・ムーンライト」の結末ラストの予想です。※ネタバレ含む
スタンリーのおばが交通事故に遭い、スタンリーは病院に駆けつけます。彼はおばの命を救うため奇跡を祈ります。しかしその態度を貫くことはできません。
スタンリーはそれまで執り続けてきた合理主義に戻り、祈りや超自然主義、さらにはソフィーとその力まで否定するようになります。彼は改めてソフィーのインチキを証明しようとします。
そして、スタンリーはソフィーとハワードが共謀して彼をだましていたことを知ります。ソフィーは確かにインチキ霊能力者で、ハワードによってそれが明らかにされます。ハワードはライバルであるスタンリーに差をつけるため、ソフィーの助けを借りたのです。
スタンリーは激怒しますが、彼らを許します。スタンリーはソフィーに恋をしていたことに自分で気付きます。スタンリーはソフィーにプロポーズし、結ばれます。
予告編動画
マジック・イン・ムーンライト 感想
映画「マジック・イン・ムーンライト」の感想です。
本作は、毎年、今か今かと作品が出るのを待ちわびているウディ・アレン監督ファンのみならず、ロマンティック・コメディが好きな方にとっては注目の一本です。
ウディ・アレン監督はデビュー以来、自身が主演を兼任していましたが、1985年「カイロの紫のバラ」以降、たびたび監督に専任し別の役者を主演とする作品を作っています。別の役者が主演した作品でも評価は高く、自身の主演作とはまた別の味わいが出ています。
本作は、コリン・ファースが主演していますが、すごい皮肉屋の役で、ウディ・アレンがよくそのような役をやる、セルフ・パロディのようなキャラクターとなっています。
本作はマジックをモチーフとし、素直になれないふたりがくっつくというもので、2001年「スコルピオンの恋まじない」を思い出します。同作の評価はいま一つで、ウディ・アレンは自分が主演したことを後悔しており、もしかしたら本作はそのリベンジという点が含まれているのかもしれません。
クラシカルで、映画的で、上質なロマンティックな雰囲気、しかもそこにそこはかとない可笑しみが含まれるような作品を作れるのは、ウディ・アレンしかいないでしょう。
古くからのファンもウディ・アレン初心者も楽しめる作品になっていると思います。