ソロモンの偽証 後編・裁判の紹介:「八日目の蝉」の成島出監督、藤野涼子主演で、宮部みゆきのミステリー巨編「ソロモンの偽証」を映画化した2部作の後編。隠された真相を暴くため、生徒たちだけの校内裁判が始まる…。
ソロモンの偽証 後編・裁判 あらすじ
映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」のあらすじです。
「八日目の蝉」の成島出監督、本作で1万人のオーディションを勝ち抜いてデビューとなる藤野涼子主演で、宮部みゆきのミステリー巨編「ソロモンの偽証」を映画化した2部作の後編。
1990年、大雪の降ったクリスマスの朝、2年A組の柏木卓也が校舎脇で遺体となって発見されました。
同級生の三宅樹里と浅井松子が送り付けた事件の告白状をめぐって、マスコミが大々的に報道するなか、担任・森内恵美子が退職し、松子が亡くなり、校長・津崎正男が辞職しました。
マスコミの興味本位の報道に振り回され、大人たちの様々な思惑で事件がうやむやになっていくなかで、いよいよ隠された真相を暴くため、生徒たちだけの校内裁判が始まっていきます。
校内裁判の提案者で刑事を父に持つ藤野涼子は、検事として、柏木卓也殺害の嫌疑をかけられた大出俊次の有罪を立証しようとします。一方、卓也の友人だった他校生・神原和彦は被告・俊次の弁護人となります。
和彦は、出廷を拒否する俊次の出廷に全力を尽くし、涼子も松子の死後、沈黙を続ける樹里に証人として出廷するよう説得します。
さまざまな思惑が絡まり合う中、校内裁判が進み、ショッキングな真相が明らかになっていきます…。
ソロモンの偽証 後編・裁判 作品概要
映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」の概要をネタバレなしで説明します。
本作の監督は、1961年山梨県生まれの成島出です。1986年、「みどり女」を監督し、新しい才能を発掘する映画祭である、ぴあフィルムフェスティバルに入選します。
その後、相米慎二監督や平山秀幸監督のもとで助監督として経験を積みます。
1994年、「大阪極道戦争 しのいだれ」で脚本家デビューし、「T.R.Y.」、「日本沈没」、「クライマーズ・ハイ」などヒット作の脚本を手掛けます。
2003年、「油断大敵」でメジャー監督デビューし、藤本賞新人賞、ヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞、翌2004年には、「フライ,ダディ,フライ」で高崎映画祭若手監督グランプリを受賞しました。
2012年には、井上真央主演の「八日目の蝉」で日本アカデミー賞最優秀監督賞、2015年には吉永小百合が主演・製作を務めた「ふしぎな岬の物語」で同優秀監督賞を受賞しています。
非常に高い評価を受けている監督で、現在、最もノリにノっている監督の一人と言っていいでしょう。
原作は、1960年東京生まれの作家・宮部みゆきの同名小説です。「火車」で山本周五郎賞、「理由」で直木賞、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞を受賞するなど、日本を代表する人気推理小説家の一人です。
「ソロモンの偽証」は、2002年から2011年にかけて連載された大作で、2012年、「事件」「決意」「法廷」の3部作として刊行されました。
ソロモンの偽証 後編・裁判 ネタバレ結末ラスト
映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」の結末ラストの予想です。※ネタバレ含む
原作では次のような結末となっています。
校内裁判が始まり、三宅樹里は、柏木が転落死した日、屋上で俊次ら3人の姿を見たと証言します。しかし他の証人によって俊次らのアリバイが証言されます。
そして和彦の証言によって、転落死の真相に近づいていきます。事件の日の夜も屋上で柏木と和彦が会っていました。
柏木は和彦を見下していました。柏木は和彦の複雑な過去を知り、そのことで和彦を苦しめようとしていました。
和彦は父親が母親を殺した後、自殺しており、養父母に育てられました。柏木は和彦に嫌な思い出がある場所に行かせて、苦しめようとしましたが、和彦には効き目がありません。
腹が立った柏木は和彦を屋上に呼び出し、和彦を罵ります。和彦は帰ろうとしますが、柏木はフェンスの外に立ち、もし帰るなら飛び降りると脅します。
和彦はそれを相手にせず、家に帰ると、翌日、柏木の転落死を知ったと語りました。
予告編動画
ソロモンの偽証 後編・裁判 感想
映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」の感想です。
本作は、日本代表する推理小説家宮部みゆきの原作ですので、ミステリーファンにとっては注目の作品です。
ただし、映画の2時間ほどの尺で、原作の情報量をすべてカバーするのは不可能ですので、原作と同じものを期待するのは無理な話です。
映画ならではの切り口があるはずで、原作ファンも納得する出来になっていてほしいものです。また活字ではできない、映画ならではの表現がなされているかどうか期待されます。
見どころは、柏木はなぜ転落死したのか、その真実が明らかになっていく過程でしょう。それはどの程度の真実性を持った話として描写されるのでしょうか、楽しみなところです。
主演の藤野涼子は新人ですが、共演者によると、監督の下、どんどん成長し、役をものにしていったということですので、クライマックスを迎える本作において彼女がどのような演技を見せてくれるのか楽しみです。
インタビューをみると、彼女はさすが主演に選ばれるだけあって、芯がしっかりしているという印象を受けます。今後の活躍が楽しみな女優です。
また脇を固めるキャストも、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、小日向文世、尾野真千子と非常に豪華で演技派がそろっており、安心してみていられます。