「トラッシュ! この街が輝く日まで」あらすじと感想(ネタバレなし)

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トラッシュ! この街が輝く日までの紹介:スティーヴン・ダルドリー監督が27か国語に翻訳されたイギリス人作家アンディ・ムリガンによる同名小説を映画化。ゴミ山で財布を拾った少年たちが絶望の街に奇跡を起こす物語。

トラッシュ! この街が輝く日まで 映画

トラッシュ! この街が輝く日まで あらすじ

映画「トラッシュ! この街が輝く日まで」のあらすじです。

2014年第9回ローマ映画祭最高賞に当たる「ガラ部門」受賞作品。スティーヴン・ダルドリー監督、ゴミ山で財布を拾った少年たちが絶望の街に奇跡を起こす物語。27か国語に翻訳されたイギリス人作家アンディ・ムリガンによる同名小説が原作。

ブラジル・リオデジャネイロ郊外。親からも社会からも見放された3人の少年たちは毎日ゴミを拾って生活していました。

ある日、彼らはゴミの山の中で財布を拾います。その財布の中にはお金のほか、ID、ポケットカレンダー、少女の写真、アニマル・ロトのカード、コインロッカーの鍵が入っていました。その中には世界を揺るがす重大な秘密が隠されていたのです。

警察はその財布を探すため大捜索を開始し、街は大混乱に陥ります。しかし少年たちは自らの信念に基づいて正しい行いをやりとげるため、、財布に隠された秘密を解明しようと決心します。

次第に警察の手がすぐ背後にまで迫ってきますが、少年たちは突き止めたヒントをひとつずつ組み合わせ、知恵を振り絞って警察の追跡をかいくぐり、隠された真実に近づいていきます。

そして少年たちが命を掛けて追い求めた真実は、やがて街を輝かせる希望へと変わっていきます…。

トラッシュ! この街が輝く日まで ネタバレなし作品概要

映画「トラッシュ! この街が輝く日まで」の概要をネタバレなしで説明します。

本作の監督は「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」などを手掛けたイギリス人のスティーブン・ダルドリーです。舞台演出家出身で、ローレンス・オリヴィエ賞を2度、トニー賞を2度受賞するなど演出家として確かな評価を得ています。

映画監督としての手腕も確かなもので、2000年「リトル・ダンサー」でデビューして以来、作品が4作連続で作品賞や主演女優賞などアカデミー賞にノミネートされています。

少年が成長していく様を繊細な演出によって描くことを得意としており、本作もその得意な路線であると言えます。

リオデジャネイロはブラジル南東部に位置し、人口600万人を超えるブラジル第2の都市です。とくに貧しいブラジル北東部から人口が大量に流入し、市内にスラム(ファヴェーラと呼ばれます)ができ、貧富の差や治安の悪化が問題となっています。

ファヴェーラの多くは、公有地などを不法占拠する形で小屋や家屋が築かれたもので、一般的にブラジルの諸都市はファヴェーラの存在を法的実体として認知していません。

ただし政府はファヴェーラを一掃するのではなく、ファヴェーラの存在を認め、社会学者や市民活動家らとともに、ファヴェーラの生活基盤と社会サービスを改善し生活水準を上げることを目指すようになっています。

本作におけるマーティン・シーン演じるジュリアード神父やルーニー・マーラ演じるNGOワーカーのオリビアもそのようにファヴェーラの少年たちと関わっていく重要な役どころとなっています。

予告編動画

トラッシュ! この街が輝く日まで 感想

映画「トラッシュ! この街が輝く日まで」の感想です。

リオデジャネイロのスラムを描いた作品としては、「シティ・オブ・ゴッド」「トロッパ・ジ・エリーチ」など名作が多いです。本作もスラムものが好きな人にとっては見逃せない作品になるでしょう。

主役の少年たちはオーディションで選ばれた無名の少年たちなので、作り込んだ演技ではなく、自然な立ち振る舞いがフィルムに収められていると思います。

脇役陣も注目で、ジュリアード神父を演じるマーティン・シーンは、「地獄の黙示録」「ウォール街」「ディパーテッド」などに出演した名優です。彼は厳格なカソリック家庭で育ち、20代で役者を目指す際には懇意にしていた神父の援助を受けてニューヨークに行っています。

ハリウッドで随一のリベラル派として知られており、マーティン・シーンがどんな神父役を演じるか非常に楽しみです。

またNGOワーカーのオリビアを演じるルーニー・マーラは「ドラゴン・タトゥーの女」でアカデミー主演女優賞にノミネートされた今、注目の女優です。彼女はニューヨーク大学で心理学などを学んだインテリで、実際にチャリティー活動に熱心で「Faces of Kibera」というNPO団体を創設しています。ですので、オリビア役は彼女の適役であると思います。