言わずと知れた、大人気TVドラマ「ガリレオ」シリーズの劇場版として2008年10月に公開された「容疑者Xの献身」。天才物理学者・湯川と天才数学者・石神が壮絶な頭脳戦を繰り広げる。
ネタバレ
「容疑者Xの献身」は東野圭吾原作の人気小説です。2週連続ガリレオSPと銘打ち、土曜プレミアムで放映されます。
2005年刊行より、話題を呼び、第134回直木賞受賞・本格ミステリベスト10など数々の賞でランキング一位を獲得。受賞こそは逃しましたが、ミステリー界のアカデミー賞と呼ばれるエドガー賞にもノミネートされていた、というのもネタバレの一つです。
では原作者・東野圭吾さんについてネタバレしていきますね。東野圭吾さんは学園もの、本格推理小説、エンターテイメント・サスペンスなど多彩なジャンルを書いているんですよね。
また「秘密(広末涼子主演)」や「新参者(阿部寛主演)」などドラマ化・映画化されたタイトルも多数あります。
工学科の大学を出ており、エンジニアとして働いていたこともあるという経歴の持ち主ということもネタバレの一つですね。
そして、「容疑者Xの献身」のロケ地のネタバレですが、湯川と石神が上った山は八方尾根スキー場ではないかと言われています。
また、湯川教授の教える帝都大学のロケ地は国立京都大学や、一橋大学などが使われているようですね。
また映画の主題歌となっている「最愛」。TVドラマ第一部の主題歌も担当した、福山雅治と柴咲コウのコラボ・ユニット「KOH+」が映画「容疑者Xの献身」でも主題歌を担当します。
この曲のネタバレとしては事件の犯人・石神が花岡靖子を想う心情を描いた歌詞になっている、ということです。
ちなみに、劇中の一場面に野球監督役でリリー・フランキーさんが出ているので、是非探してみてください。
感想
特に福山雅治ファンでも、TVドラマ「ガリレオ」シリーズの熱心なファンでもないのですが、「容疑者Xの献身」という映画は非常によくできた映画だなあ、という感想を持ちました。
天才数学者・石神(堤真一)が隣人花岡靖子(松雪泰子)・美里(金澤美穂)親子に寄せる純粋な思いや、天才物理学者・湯川(福山雅治)の苦悩が良く描かれていて、犯人・石神の慟哭に不覚にもエンディングで泣きそうになりましたよ。
石神は人を殺すような非論理的な人間ではない。と断言した湯川だったけど、石神は隣人親子を守るために実際に人を殺してた。
「相手に何も求めない」というのは究極の愛の形だと思うわけです。でも一方で身勝手な愛の形だとも感じる。
そこまでさせるほどの石神の「愛」ってなんなのか。きっと、自殺を思いとどまらせてくれた隣室に住んでいる親子が石神にもたらしたものはそれほどまでも尊いものだったんでしょうね。
まあ、「容疑者Xの献身」は原作も素晴らしかったけれど、映画での役者さんの演技も素晴らしかった、という感想ですね。かなり説得力のある演技力でした。推理物の映画は犯人役で決まるなあという感想を持ちました。
余談ですが、TVドラマでは湯川は方程式を書いて謎を解くんですが、この映画「容疑者Xの献身」には、その方程式シーンがないんです。個人的にはこっちの方がスマートでいいなあという感想です。
結論。映画ラストの犯人役・堤真一の慟哭がすべてを語る。
以上、「容疑者Xの献身」の感想でした。
あらすじ
「容疑者Xの献身」のあらすじをご紹介していきます。
石神哲哉はさえない高校教師だった。石神はアパートの隣室に住む花岡靖子にひそかに思いを寄せている。毎日毎日靖子の営む弁当屋に通い弁当を購入するが一切会話はしない。
ある日靖子の家に別れた夫・富樫が訪れる。富樫はたちの悪い男で、別れた後も花岡親娘に付きまとっていた。靖子の娘・美里は富樫を激怒させ、富樫は美里に襲い掛かった。靖子は娘を守るため、富樫の首を絞めて殺害してしまう。
それを隣の部屋で聞いていた石神は、靖子の家のドアを叩く。そして自分の論理的思考に全てゆだねるように告げるのであった。
そして、旧江戸川で指紋を焼かれ顔を潰された遺体が発見される。被害者は富樫と断定される。内海薫(柴咲コウ)と草薙俊平(北村一輝)は富樫の元妻、靖子を犯人ではないかと怪しむが、靖子と美里には完璧なアリバイがあった・・・。
薫と草薙は帝都大学物理学准教授の湯川の元を訪ねる。当初、捜査協力に乗り気でない湯川だったが、犯人と目される靖子の隣人、石神の話を聞き、事件に興味を持ち始める。
石神は湯川の大学時代の友人で、湯川が唯一「天才」と認める人物だったのだ。
果たして、石神の仕掛けたトリックとは・・・。そして、その謎を湯川は解くことができるのか!というようなあらすじになっています。
最後にあらすじだけでは分からない、原作との違いもご紹介します。堤真一演じる天才数学者・石神哲哉は実は原作では「だるまの石神」とあだ名されておりずんぐりむっくりな不細工な設定なんです。堤さんはこの役をやるに当たって頭にそり込みを入れたんだそうです。現場のスタッフや役者さんたちはホントに髪の毛が後退したと思って、見ないふりをされて気まずかった、とインタビューで言ってましたよ。堤真一さんの役者魂に驚かされますね。
原作を読んだ方は、そういったあらすじの違いなども楽しんでみてはいかがでしょうか。
以上、「容疑者Xの献身」のあらすじと原作との違いでした。
予告編動画
評価
- 総合点:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
作品情報
- 公開日:2008年10月4日
- 上映時間:128分
- ジャンル:ミステリー
- 監督:西谷弘
- 主演:福山雅治