映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」あらすじと感想(ネタバレなし)

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KANO 1931海の向こうの甲子園の紹介:台湾の金馬奨で主要6部門にノミネートされ、観客賞、国際映画批評家連盟賞を受賞した作品が日本上陸。弱小チームだった嘉義農林学校野球部は近藤兵太郎の指導の下で生まれ変わり、甲子園に出場し快進撃を続ける…。

KANO 1931海の向こうの甲子園 映画

KANO 1931海の向こうの甲子園 あらすじ

映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」のあらすじです。

1931年、台湾代表として全国高校野球選手権に出場し、準優勝を果たした嘉義農林学校野球部の活躍を描いた台湾映画。台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨で主要6部門にノミネートされ、観客賞、国際映画批評家連盟賞を受賞しました。

1929年、嘉義農林学校野球部に、日本人監督・近藤兵太郎がやって来ます。近藤は名門・松山商業を監督として率いた経歴を有していました。

嘉義農林学校野球部はそれまで1勝もしたことがない弱小チームでしたが、甲子園出場を目指すという近藤監督のもと、部員たちは厳しい練習に励みます。

1931年、嘉義農林は台湾予選大会に臨みます。大人たちや他校の者は嘉義農林を嘲笑しますが、近藤監督のもと、守備に長けた日本人、打撃力のある漢人、走力のある台湾原住民というそれぞれの強みを生かして育てられたチームは、常勝校を打ち負かし、快進撃を始めます。

そしてついに甲子園への切符を手にし、台湾代表として甲子園に乗り込みます。嘉義農林は無名の存在でしたが、甲子園でも強豪校を破り、躍進を続け、勝ち進みます。決勝まで進んだ嘉義農林のひたむきで決してあきらめないプレースタイルは観客を感動させ、日本中の注目を集めていきます。

KANO 1931海の向こうの甲子園 ネタバレなし作品概要

映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」の概要をネタバレなしで説明します。

本作の製作は、日本統治下の台湾で起こったセデック族による抗日暴動「霧社事件」を描いた「セデック・バレ」2部作を監督し大ヒットを生み出したウェイ・ダーション(魏德聖)が務め、「セデック・バレ」に出演した俳優マー・ジーシアン(馬志翔)が監督を務めています。日本統治下の台湾を描く作品に造詣が深いスタッフが作っているわけです。

マー監督は、俳優業とともにテレビの短編ドラマの脚色を担当し、台湾メディア最高の賞である金鐘獎で脚色賞を受賞するなど高い評価を受けてきました。またショートフィルムの監督も経験し、本作がいよいよ長編映画監督デビューとなります。

嘉義農林学校は、1919年4月に創立された、現在の国立嘉義大学の前身です。野球部は1928年に創設されましたが、野球経験のある指導者がおらず、成績は振るいませんでした。それが29年、近藤兵太郎が指導することによって野球部は生まれ変わりました。

嘉義農林は1931、33、35、36年に夏季甲子園に出場し、多くの優秀なピッチャーを輩出しました。なかでも33年甲子園出場の呉昌征(呉波)は、卒業後の37年に日本プロ野球の巨人に入団しています。呉は20年間のプロ生活で、打撃王、盗塁王、MVPを獲得、ノーヒットノーランを達成し、死後、野球殿堂入りしています。

予告編動画

KANO 1931海の向こうの甲子園 感想

映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」の感想です。

野球の映画ですので、野球シーンは注目の一つです。野球シーンがお粗末ですと、せっかくの映画が興ざめしてしまいますので、ある程度の完成度を保てているかがポイントです。

また日本統治下の台湾の雰囲気も注目です。当時の日本人の地位、日本人と現地人との関係、高砂族の置かれていた状況などがどのように描かれるかが注目されます。

キャストに関しては、本作の呉明捷役でツァオ・ヨウニン(曹佑寧)が金馬獎最優秀新人賞にノミネートされており、今後が楽しみな若手俳優として期待されます。

また近藤兵太郎を演じた永瀬正敏や近藤の妻を演じた坂井真紀、八田與一を演じた大沢たかおなど日本人キャストが台湾人監督のもとでどのように演じているかも注目されます。

永瀬正敏は、映画俳優と言っていいほど、「私立探偵・濱マイク」シリーズをはじめとして多くの作品に出演しキャリアを積んでおり、安心して観ていられることと思います。

また大沢たかおが演じる八田與一は、台湾の灌漑事業に大きな功績があった人物で、技術者として優れていただけでなく、人間性にも優れ、多くの人々に慕われており、どのように描かれるか、非常に楽しみです。