村岡が既婚者であることを知ってしまったかよは、はなにそれとなく諦めることを勧めます。そして仕事に今まで以上に集中する村岡のところへは、父の平祐が現れます。はなの心境とは裏腹に村岡の状況が変わってきそうです。
ネタバレ
花子とアン 75話は、村岡の家庭事情が見えてくる回です。ここからネタバレです。
村岡の弟・郁弥から村岡が既婚者であることを知ってしまったかよは、はなにそれを打ち明けるべきか悩んだ末に、それとなく諦めるよう諭します。かよの説得に、はなは自分が振られたことを打ち明けます。驚いたかよでしたが、内心はホッとします。
はなの元気はすっかりどこかへ行ってしまいましたね…。心ここにあらず、といった感じです。心配ですね…。
その頃、村岡は自身の出版社で熱心に仕事に励んでいます。はなが翻訳した『王子と乞食』の割付です。あまりの熱心さに弟の郁弥が感心していると、そこへある男性がやってきます。彼は、今までも何回か登場したことがある人物です。カフェドミンゴで宇田川に追い返されるはなを見ては「編集者には向いていない」と言ったり、帝大生の宮本に蓮子の歌集を渡したり…少しの出演でも存在感がありました。実は、この男性、村岡兄弟の実の父親、村岡印刷の社長だったのです。社長の平祐は二人から会社の状況を確認すると、「英治。先方のお父さんから離縁を考えてくれと話があった。」と話し、次いで英治に離縁することを勧めます。しかし、そんなことは出来ないと断る英治。
父親が去った後、『王子と乞食』の割り付けが終わった英治は聡文堂に行きずらい気持ちを抑えながら仕方なく自社を後にします。村岡は聡文堂で新しく自分が作った割り付けを披露します。『王子と乞食』をより目を引くものにするための斬新なデザインに、周りは反発しますが、はなは『王子と乞食』のイメージにピッタリだと絶賛します。自分の翻訳したもが注目されるよう熱を上げて取り組んでくれる英治を見て、はなはお礼を言います。それを受け、「あなたの翻訳は美しい」と思い掛けない言葉をは発します。はなは自分の気持ちを拒絶しておきながら、今までにない優しい言葉を掛ける英治に対して、「これ以上優しくしないでください」と告げ、その場を去ります。
はなのやりきれない気持ち、分かります。村岡もなんでそんなことを言ったのでしょう?冷たくすると決めたなら、そのまま突き通してくれればいいものを…そしたらはなと英治の恋愛は始まらないのですが…。
今回、頻繁に出てきた“割付”という言葉。一体どういう意味なのでしょう?
割付は様々な場面で使われる言葉ですが、印刷業界においての“割付”とは文字やイラストの配置、または配置をすることを指します。視覚的に構成すること、とも言えます。英語では“レイアウト”とも言いますね。今回、村岡が行っていた割付は、はなの翻訳した文章の周りをどこか18世紀の石膏をイメージさせるようなデザインで装飾していました。なるほど~、“王子”に合わせた割付だったわけですね。
さて、自分の気持ちをどう消化すればいいのか悩み果てたはなは、宇田川に連載のお願いついでに「友達の話ですが…」と自分の恋の相談を持ち掛けます。宇田川は恋愛小説のネタに困っていたため、その話を熱心に聞きます。
はなを毛嫌いしていた宇田川も、はなに心を開きそうですね。この二人がタッグを組んだらすごい作品が出来そうですが…。
宇田川が去ったあと、そこに思いがけず兄やんがカフェに現れます。兄やんは憲兵となり、二人が兄やんに会うのは本当に久しぶりのこと。しかし、はなやかよとしかと目を合わせていたにも関わらず言葉も交わさずさっと席についてしまう兄やん。二人はその行動に戸惑いつつも後を追い「兄やんずら?」と声を掛けます。すると、「任務中だ。知らないふりをしてくれ」と怖い表情で忠告されます。その視線の先には帝大生の宮本の姿が…。
今回村岡の父親がまさかあのカフェの常連だったとは驚きでしたね。平祐は、はなに対してはクセのある人物でしたが、それははなのことをどこか特別視しているからのような気もします。今後、はながどのようにして平祐を英治の父と知る事になるのでしょう?そして気になるのが兄やん。どうやらスパイとしてカフェに現れたようですが、その目的は?なぜ宮本を?行く先が気になります。