映画「Mommy マミー」あらすじネタバレ結末と感想

2015年4月映画

Mommy マミーの紹介:カナダの新進気鋭グザヴィエ・ドラン監督、カンヌ国際映画祭審査員賞、カナダ・スクリーン・アワードで最優秀作品賞を含む9部門で受賞した作品で、多動性障害を有する息子と母の物語。

Mommy マミー あらすじ

Mommy マミー 映画

映画「Mommy マミー」のあらすじです。

カナダの新進気鋭グザヴィエ・ドラン監督、カンヌ国際映画祭審査員賞、カナダ・スクリーン・アワードで最優秀作品賞を含む9部門で受賞した作品。

46歳のダイアン・デュプレが未亡人になってから3年が経っていました。彼女は15歳の一人息子スティーヴを別の施設に移動させることにします。

スティーヴは、父親の死後、ADHD(多動性障害)となり、情緒不安定で暴力を振るうため、施設に入れていたのでした。しかし彼はカフェテリアに火をつけ、他の少年にけがをさせたため、施設を追い出されたのです。

ダイアンはスティーヴを別の施設に入れても何のリハビリにもならないと思い、やはり彼を引き取ることとします。

スティーヴの面倒を見るため、ダイアンは家で出来る仕事をしなければなりません。ふたりはお互いに罵ったり、スティーヴは暴力をダイアンに向けるそぶりを見せますが、お互いに愛し合っていました。

彼らの人生は、ふたりの隣人によって影響を受けることとなります。一人は弁護士のポールで、彼は法律問題でスティーヴを助けることを口実にダイアンに近づこうとします。

もう一人はカイラで、彼女は通りを挟んで向こう側に夫のパトリックと娘とともに住んでいました…。

Mommy マミー 作品概要

映画「Mommy マミー」の概要をネタバレなしで説明します。

本作に出てくるADHD(注意欠如多動性障害)は、多動性・衝動性と注意力の障害を特徴とする行動の障害です。

集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽい、落ち着きがない、思いついたら考える前に行動してしまうなどの症状があります。

学童期の出現率は3~5%、男児に多いとされます。

ADHDの詳しい原因はまだわかっていません。前頭前野を含む脳の働きに偏りがあると考えられています。前頭前部・尾状核・淡蒼球・小脳虫部が健常児と比べて小さいとの報告がなされており、遺伝要因の関与の高さも指摘されています。

神経系は神経細胞がいくつも繋がって構成されており、神経細胞と神経細胞の間にはすき間があります。そのすき間で働いているのが神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンです。ADHDの子どもはその働きが不足気味であることがわかっています。

治療については、障害を持つことによる有害な影響を最小限にし、子どもが本来持っている能力を発揮させ、自己評価を高め、自尊心を培うことを目標とします。

具体的には、子どもの周りの環境を整える(環境調整)、保護者が具体的な対処法を学ぶ(ペアレント・トレーニング)、本人が適切な行動を学ぶ(ソーシャル・スキル・トレーニング)といった教育・療育的支援がとられます。

またノルアドレナリンやドパミンの不足を改善する働きがあるアトモキセチンとメチルフェニデートという薬を使った薬物療法があります。

Mommy マミー ネタバレ結末

映画「Mommy マミー」の結末ラストの予想です。※ネタバレ含む

カイラとデュプレ家は、お互いを助け合い、結びつきが強くなっていくことでしょう。特にカイラとスティーヴはお互いにいい影響を与え合い、スティーヴの症状が改善し、カイラは吃音を克服し、長期休暇が終わるという展開があるのではないでしょうか。

本作は、母と子がテーマですので、ダイアンとスティーヴの関係だけではなく、自分の家族との問題を抱えているカイラが、何か思い切った決断を下すのかもしれません。

また予告編で、スティーヴが自分の血かあるいは他の誰かの血かわかりませんが、服に血をつけたまま、ダイアンとカイラに両腕を抱えられて、もたれながら歩いているシーンがあって、死などの不吉な結末を暗示しているようにも見えます。

Mommy マミー 感想

映画「Mommy マミー」の感想です。

本作は、親子の関係を描いた作品が好きな方におすすめの作品です。グザヴィエ・ドラン監督のファンのみならず、映画ファンにとっても注目の一本でしょう。

デビュー作にその作家のすべてが入っていると言われますが、グザヴィエ・ドラン監督のデビュー作は「マイ・マザー」で、母との関係に悩み、苦しみ、衝突しながらも成長する少年の姿を描いており、本作と共通するテーマとなっています。

グザヴィエ・ドランは1989年生まれ、カナダ・モントリオール出身です。父親も俳優で、幼少期より子役として活動しました。2009年、若干20歳で監督デビューし、カンヌ国際映画祭で世界から注目を浴びます。

「マイ・マザー」ではグザヴィエ・ドラン監督が主演も兼任して息子役を演じ、本作と同様、アンヌ・ドルバルが母親役、スザンヌ・クレマンが教師役を務めています。

配役の面でも共通性があり、本作との関連が深いと言えるでしょう。本作を観る前に、デビュー作の「マイ・マザー」を観た方が、監督の伝えたいことが深く理解でき、作品をより楽しむことができるのではないでしょうか。

グザヴィエ・ドランはとにかく、早熟な監督と言えるでしょう。そのみずみずしい感性でどんな作品を作ってくるか、毎回非常に楽しみな映画作家です。

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