映画「神々のたそがれ」のあらすじネタバレ感想!結末ラストは?製作期間は15年!

神々のたそがれの紹介:ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督が、ストルガツキー兄弟のSF小説「神様はつらい」を15年の歳月を費やして映画化し、監督の遺作となった作品。地球より800年ほど発展が遅れた惑星に学者が派遣される…。

神々のたそがれ あらすじ

神々のたそがれ 映画

映画「神々のたそがれ」のあらすじです。

ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督が、ストルガツキー兄弟のSF小説「神様はつらい」を15年の歳月を費やして映画化し、監督の遺作となった作品。

地球より800年ほど発展が遅れた惑星を調査するため、地球から30人の学者たちが派遣されます。その惑星には、ルネッサンス初期を思わせる王国が形成されていました。

王国では、何かが起こることを恐れるかのように反動化が進んでおり、首都アルカナルでは大学が破壊され、知識人狩りがおこなわれます。彼らの処刑にあたったのは王権守護大臣ドン・レバの分隊で、灰色の服を着た家畜商人や小売商人からなっていました。その部隊は“灰色隊”と呼ばれ、勢力を誇っていました。

地球から派遣された学者の一人に第17代貴族ドン・ルマータと名乗る男がいました。ルマータは、地域の異教神ゴランの非嫡出子であるとされており、誰もがこの話を信じたわけではありませんが、皆ルマータのことを警戒していました。

知識人たちの一部は隣国イルカンへ逃亡します。そのなかには農民一揆の頭目である「背曲がりアラタ」や、錫鉱山で使役される奴隷たちもいました。ルマータはアルカナルに潜入し、知識人たちを匿うべく努めます。

ある日、ルマータは皇太子のいる寝室で当直の任務に就いていましたが、灰色隊に捕まってしまいます…。

神々のたそがれ 作品概要

映画「神々のたそがれ」の概要をネタバレなしで説明します。

本作の監督は、1938年レニングラード生まれ、「ロシア最後の巨匠」と呼ばれたアレクセイ・ユーリエヴィッチ・ゲルマンです。

1960年、レニングラード演劇・音楽・映画大学を卒業し、卒業後、舞台監督になりますが、後に映画に転じます。

1967年、グリゴーリー・アローノフとの共同監督「七番目の道づれ」で映画監督デビューしました。1971年、父ユーリー・ゲルマンの原作を映画化した「道中の点検」は、1986年まで15年間上映禁止となりました。

ゲルマン監督は政府から弾圧を受け受難の時代を過ごしてきましたが、ゴルバチョフ体制下のペレストロイカにより作品の公開が進み、世界の注目を集めることになります。

1987年には、それまでの監督3作品がロッテルダム国際映画祭でオランダ映画批評家協会賞を受賞しています。

1998年、フランスのプロデューサーを得て制作した「フルスタリョフ、車を!」は、カンヌ映画祭に正式出品されたほか、ロシア版アカデミー賞であるニカ賞作品賞、監督賞を受賞しました。

本作の撮影は、2000年に始まり、監督の細部への徹底的なこだわりもあり、13年間の歳月を要した。ゲルマン監督は完成目前の2013年2月21日に亡くなりますが、妻で共同脚本を担当したスヴェトラーナ・カルマリータと、息子で映画監督のアレクセイ・ゲルマン・ジュニアが最終工程を引き継ぎ、完成に至っています。

神々のたそがれ ネタバレ結末ラスト

映画「神々のたそがれ」の結末ラストの予想です。※ネタバレ含む

本作のラストは原作のそれに近いのではないでしょうか。原作のラストは、次のようになっています。

ドン・レバは、軍隊を使って無防備の街を占拠し、アルカナルの統治者となります。ルマータは一歩も引かず、ドン・レバと非侵略契約を結びます。

ルマータは監獄からドクター・ブッダ、バロン・パンパを救出します。アルカナルはホーリーオーダーに屈服します。ルマータの友人は亡くなり、ルマータはブッダの出発を早めようとします。

ルマータが家に戻ると、忠誠な召使いがレバのストーム・トルーパー軍と戦って死んだことがわかります。

ブッダの出発の前、ルマータは彼に哲学的な問いを投げかけます。「もし神が地上に降臨し、どんな願いも叶えると言ったら、神に何を頼むか」と。

長い議論の末、ブッダは最後に、神が人々に与えられる唯一本当の贈り物は、問題から人々を離すことであると述べます。これに対し、ルマータは神は人々の苦しみを見るのに耐えられないと返答します。

予告編動画

神々のたそがれ 感想

映画「神々のたそがれ」の感想です。

本作は、ハードSF好きな方向けの作品と言っていいでしょう。上映時間も177分と長尺ですので、かなり重厚な作品となっています。

製作に15年をかけたエネルギーがモノクロの画面からひしひしと伝わってきます。映画がメディアとして隆盛を誇った1950年代の作品、特に黒澤明の「七人の侍」のようなパワーを感じます。

さすが、ロシア映画批評家協会賞最優秀撮影賞、最優秀美術監督賞を受賞しただけのことはあります。

主人公ルマータ役を演じるのは、ヴァディム・シメリェフ監督「ミッション・イン・モスクワ」(2006)、アンドレイ・マーモントフ監督「ナイト・アベンジャー」(2011)などに出演したレオニド・ヤルモルニクです。

彼をはじめとしてキャストは、日本人にはあまり馴染みのないロシアの俳優となっていますが、男爵役を演じるユーリー・アレクセーヴィチ・ツリーロは注目です。彼は1946年ロシア・ヴャズニキ生まれで、ゲルマン監督の「フルスタリョフ、車を!」など映画に50本近く出演しているベテランの俳優です。

彼は本作でロシア映画批評家協会賞最優秀助演男優賞にノミネートされており、その演技は注目に値します。

本作は商業主義の作品とはまるで対極にある作品で、観る人を選ぶ作品と言っていいでしょう。

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